暑いのは大丈夫だけど、寒さにはめっきり弱いって人がいますよね。
一般的に寒さに弱いって人は、体内からの熱を外に放出しやすいからだと言われています。
そんな人が寒さに強くなるには、薄着なれば良いと言う人もいますが、これは本当なのでしょうか?
そこで今回は、寒さに強くなるには薄着が良いって本当なのか、高齢者の温度差入浴の危険性などについてご紹介します。
寒さに強くなるには薄着が良いって本当?
寒い季節になると厚着しますが、これで体は外気温の冷たさなどから守られて、体はポカポカに暖かくなります。
しかし、この暖かさは厚着によるもので、自分の体の中から発熱して暖かくなっているわけではありません。
そこで、寒い季節にあえて薄着にすることで、自分の体の防衛反応によって体内から発熱させて、暖かくさせるというわけです。
例えば、今は保育園や小学校などでは、運動の際に薄着でやるところも多いですよね。
つまり、寒い季節に薄着になるのは、基礎代謝を高めて寒さに強くなるための一つの方法としても採用されています。
ただし、寒い季節に薄着になるには、注意しないといけない重要な点があります。
私たちが生きていく上で必要なエネルギーを基礎代謝といいますが、その基礎代謝は20歳ごろをピークに年々低下していきます。
この基礎代謝が下がる原因は、一般的に筋肉量の低下にあると言われています。
筋肉量が低下すると、エネルギーを消費する能力も低下してしまうので、太りやすくなります。
特に運動不足になりやすい中高年の方にメタボなどが多いのは、筋肉量が減って太りやすくなったからです。
免疫機能が低下すると、風邪を引きやすくなったり、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどに感染してしまうリスクも高くなります。
そのため、中高年の人が寒さに強くなるのに薄着になるのは間違いだと私は思います。
もちろん、中高年になっても一定の筋肉量を保ち、基礎代謝が比較的に高い方も結構いらしゃいます。
そのような方は、寒さに強くなるために徐々に薄着にして、体を慣らしながらやるのは構いません。
しかし、寒い季節に薄着になっても、中高年の人の基礎代謝が劇的にアップするわけではありませんから、あえてリスクを取る必要はないと思うのです。
つまり、基礎代謝が落ちてきている中高年の人は、薄着になるなど無理をしないことが一番大切です。
できれば保温性のある下着や衣類を着て、若い人よりも体から熱を奪われないように工夫する必要があります。
また、外出時と室内にいる時とでは着るものを変え、環境に合わせて上手く体温をコントロールするようにしましょう。
寒さに強い体を造ろうとして、逆に病気になったりしては本末転倒ですからね。
高齢者の温度差入浴の危険性とは?
寒い季節になると、お風呂に入ってもすぐに湯冷めしやすくなりますよね。
そんなお風呂の湯冷めを防止するのは、お湯と冷水を繰り返す温度差入浴という方法があります。
それと同じ要領で、お風呂で体を温めたあと、冷たい水のシャワーを浴びるのを数回繰り返すというやり方です。
こうすることで、お風呂上がりの体は長い時間ほてって温かくなり、湯冷めしにくくなります。
この原理は、温まった体に冷たい水のシャワーを浴びると、血管が一時的に収縮します。
そしてまたお風呂に入って温まると、再び血管が広がって全身への血液の巡りが良くなることで体温が上がるからです。
ただし、温度差入浴は高齢者がやるのは危険です。
なぜなら、高齢者は急激な温度の変化で、血圧も急激に上下するため「ヒートショック」を起こして、死亡事故になる恐れがあるからです。
特に高齢になると、浴室と脱衣所の温度差が違うだけでもヒートショックを起こして救急搬送される件数が冬場は多くなります。
また、一番風呂も高齢者には危険です。
なぜなら、浴室内が一番風呂だとまだ十分に温まっていないためです。
そのため、高齢者の人がお風呂に入る場合は、浴室と脱衣所の温度差に注意するようにしましょう。
ちなみに、高齢者の人がお風呂に入る場合の温度は、38度くらいが一番最適です。
38度くらいのお湯の温度の方が副交感神経が優位になって、リラックス効果が高まります。
まとめ
寒い季節に外出する際は、体温が逃がさないようにしっかり防寒対策して、帰宅したら面倒臭がらずに脱がないと、かえって体が冷えて余分な熱を放出してしまいます。
特に寒い季節は、睡眠不足や過労にも注意しないといけません。
疲労が蓄積すると体温を調節する機能も衰えてくるため、寒さに弱い体になってしまいます。
そのため、熱産生の高い食事を摂って体内から温かくするようにしましょう。
熱産生の高い食べ物は、鍋物や肉類、ゴマ、かぼちゃなどです。